研究論文のどのパートが最も重要なのか?
Introduction, Methods, Results, Discussion

【企画要旨】

昨今、医学論文をIntroduction, Methods, Results, Discussion からなるIMRAD構造で執筆することは、極めて一般的であり“当たり前”とも言える。しかし、多くの医学雑誌がIMRAD構造を採用するに至った背景はよく知られていない。
また、IMRAD形式の中で、どのパートが最も重要なのかと問われると意見が分かれるのではないだろうか。
本セッションでは、まず、医学雑誌編集長から、どのような論文を求めておられるかのご要望を伺う。次に、経験豊富な臨床疫学研究者に、論文の各パートの意義について討論をしていただきます。これらを、参加者がご自身の研究論文執筆に活かしていただくことを、委員会一同願っております。

【座長】

佐田 憲映
高知大学医学部臨床疫学講座 特任教授
大前 憲史
福島県立医科大学附属病院 臨床研究教育推進部 副部長・特任准教授

【企画構成】

1. 「医学」雑誌編集長は、どのような論文を求めているか?

ACE編集長 康永 秀生(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学 教授) 25分


  • 康永 秀生

2. 研究論文のどのパートが最も重要なのか? Debateセッション !

60分:パネリスト発表10分×4, Debate 20分

(ア)Introduction
山崎 大(京都大学 地域医療システム学講座/臨床疫学 特定講師)
(イ)Methods
高田 俊彦(福島県立医科大学白河総合診療アカデミー 准教授)
(ウ)Results
佐々木 彰(京都大学医学部附属病院臨床研究教育研修部 特定講師、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任准教授)
(エ)Discussion
大前 憲史(福島県立医科大学附属病院 臨床研究教育推進部 副部長・特任准教授)
(オ)Debate

3.まとめ

5分

【プロフィール】

佐田 憲映(さだ けんえい)
高知大学医学部臨床疫学(特任教授)
1997年 岡山大学医学部医学科卒。岡山大学腎・免疫・内分泌代謝内科学にて、リウマチ膠原病・腎臓病に関する臨床・臨床疫学研究・教育に携わった後、2020年より現職。高知県西部で、地域医療に携わりながら臨床研究を学ぶ「高知県臨床研究フェローシップ」責任者。
専門は臨床疫学、リウマチ膠原病学、腎臓病学、総合内科学。
日本臨床疫学会上席専門家。日本リウマチ学会・腎臓学会評議員。ANCA関連血管炎診療ガイドライン2022作成統括委員はじめ、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症や急速進行性腎炎症候群の診療ガイドライン、CKD診療ガイドライン2023など、多くのガイドライン作成に携わる。
大前 憲史(おおまえ けんじ)
福島県立医科大学附属病院 臨床研究教育推進部(副部長・特任准教授)
2003年 名古屋大学医学部医学科卒。臨床研修後10年間、癌手術を中心に泌尿器科医として研鑽。東京女子医科大学泌尿器科(助教)、京都大学大学院医療疫学分野(博士後期課程)、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター(研究フェロー)などを経て、2020年より現職。社会健康医学博士、社会医学系専門医、日本臨床疫学会上席専門家、日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門は臨床疫学、良質なエビデンスをいかに効率的かつ効果的にユーザーに届けられるかが近年の関心事。著書に「医学論文査読のお作法 査読を制する者は論文を制する」(健康医療評価研究機構)などがある。
康永 秀生(やすなが ひでお)
東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学(教授)
1994年 東京大学医学部医学科卒。卒後6年間外科臨床に従事した後、東京大学公衆衛生学(博士課程)、医療経営政策学(特任准教授)などを経て、2013年より現職。
専門は臨床疫学、医療経済学。
日本臨床疫学会理事。日本臨床疫学会機関誌「Annals of Clinical Epidemiology」編集長。医療経済学会機関誌「医療経済研究」編集委員。
著書に「必ずアクセプトされる医学英語論文-完全攻略50の鉄則」「必ず読めるようになる医学英語論文:究極の検索術×読解術」「超絶解説 医学論文の難解な統計手法が手に取るようにわかる本」など多数。