教育レクチャーシリーズ2:
PROを使って研究をデザインしてみよう

事前申し込み制

【座長】

山本 良平
亀田総合病院

【演者】

福原 俊一
京都大学

【講演⑤:9時45分 〜 10時20分】

演題:「PROを使って研究をデザインしてみよう」

【抄録】

PROは、30年の歳月を経て、今や臨床研究において科学的に測定可能な指標として、他の「客観的な」指標と同等の地位を得るに至った。また、FDAなどの海外の規制当局も、観察研究で治療効果を評価する際にPROを含めることを推奨するようになった。しかしながら、未経験の多くの研究者にとってはその意義がわからなかったり、PROの使用方法が難しいと感じることも多いと推察する。
このレクチャーでは、PROを研究の主要なアウトカム指標、あるいは要因に設定する場合の、具体的なポイントや注意点について以下に概説する:

  1. PROの測定や活用には、サーベイ研究や計量心理学の基礎的な理論や知識などの「お作法」が必要であること
  2. 多数のPRO尺度の中からどの尺度を選択するか?その基準。複数のPRO尺度を選択した場合、どのような順序で配置するか、など
  3. PRO測定にまつわるバイアスと対処法
  4. 測定結果や分析結果を統計的に解釈するだけでなく、臨床的にどのような意味があるかを解釈する方法

【プロフィール】

福原 俊一 Shunichi Fukuhara, MD, MACP
京都大学 名誉教授、Johns Hopkins大学 客員教授、福島県立医科大学 副学長
北海道大学医学部卒、横須賀米海軍病院インターン、カリフォルニア大学 サンフランシスコ校(UCSF)で内科学レジデント、米国内科学会専門医取得後、循環器・総合内科臨床に従事. その後Harvard大学で臨床疫学の修練を受けた(MSc)。国際QOL project (IQOLA)に参加。国際QOL学会理事などを歴任。書籍「QOL評価学」(中山書店)