日本のデータベース研究をハイインパクトジャーナルに載せるために：成功事例の紹介と吟味

【企画要旨】

臨床疫学研究の基盤となる大規模データベース(DB)にはレセプトDB、DPC-DB、電子カルテDB、調剤薬局DB、患者レジストリなどがある。
一連のDBの整備が進み、多くの研究者が利用可能になっている一方、現状ハイインパクトジャーナルと呼ばれる一流国際誌に掲載される日本のデータベース研究は限られている。
本シンポジウムでは、日本のDBを用いた臨床研究でハイインパクトジャーナルに掲載された研究の実例を紹介し、著者であるパネリストとともに国際誌に通用する研究のエッセンスを議論することを目的とする。
参加者が日本のDBを用いた臨床研究へのモチベーションを高めるだけでなく、事例を通して研究実践に際するコツを理解し身につけ、将来の研究の質の向上が期待される。

【座長】

吉岡貴史: 慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室特任助教

隈丸拓: 東京大学

吉岡貴史
隈丸拓

【演者】

大邉寛幸: 東北大学

西村志織: 東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座特任研究員

岡田啓: 東京大学

大邉寛幸
西村志織
岡田啓

【プロフィール】

吉岡貴史: 2010年岡山大学医学部医学科卒。福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンターなどを経て2022年4月より現職。京都大学で修士（専門職）、岡山大学で博士（医学）を取得し、慶應義塾大学で医療経済評価コースを修了した。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本臨床疫学会認定上席専門家。泌尿器科の臨床疫学研究、タバコ・アルコール・ギャンブルに関する疫学公衆衛生・医療経済学研究に加え、医療経済評価研究にも従事している。

隈丸拓

2005年　東京大学医学部医学科卒業
2010年　ハーバード大学公衆衛生大学院　公衆衛生学修士（MPH）取得
2015年　ハーバード大学公衆衛生大学院　科学博士（ScD in Epidemiology）取得
2015年　東京大学医療品質評価学講座　特任助教
2019年　同　特任准教授

日本臨床疫学会データベース活用委員長（2020年～）、日本薬剤疫学会理事・評議員（2021年～）、NCD統計解析委員会委員（2021年～）

大邉寛幸: 医師12年目（2012年3月東北大学卒）
臨床疫学専門家、救急専門医、集中治療専門医
2023年4月〜東北大学病院高度救命救急センター助教
2017年4月〜2023年3月東京大学臨床疫学・経済学分野公衆衛生修士課程及び博士課程

西村志織: 2016年早稲田大学政治経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科修士課程修了。2018年東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座学術支援専門職員、2018年慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室研究員を経て、2021年より現職。2023年慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科公衆衛生・スポーツ健康科学専攻博士課程修了（医療マネジメント学）。静岡社会健康医学大学院大学客員研究員。専門は薬剤疫学、ヘルスデータサイエンス。

岡田啓: 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・生活習慣病予防講座特任講師。2009年、東京大学医学部医学科卒業（MD）。茨城県立中央病院・東京大学医学部附属病院で初期研修後、公立昭和病院・東京逓信病院・東京大学医学部附属病院で後期研修。2017年、東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了（PhD）。2019年、東京大学公共健康医学専攻公衆衛生大学院修了（MPH）、同年4月より糖尿病・生活習慣病予防講座特任助教、2022年11月より同特任講師。日本内科学会認定総合内科専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医・指導医、日本透析医学会認定専門医、日本臨床疫学会臨床疫学認定専門家。日本臨床疫学会、日本疫学会、日本腎臓病協会、日本腎臓学会、日本腎臓病協会、日本糖尿病協会、日本糖尿病学会、アジア糖尿病学会所属。