PROを活用した炎症性腸疾患のレジストリ研究

【企画要旨】

患者報告型アウトカム(patient-reported outcomes: PRO)とは「患者の健康状態に関して、患者が直接報告し、他者の修正や解釈を含まないもの」と定義される。PROには痛み・倦怠感・QOLのように、他者からは評価できないが患者にとっては重要なアウトカムが含まれている。潰瘍性大腸炎は下痢と血便を主症状とした炎症性腸疾患で、根治療法がなく、治療は長期にわたるため、日常生活に与える影響が大きい疾患である。このような病気の特性から、病気の影響を患者目線から評価するPROが潰瘍性大腸炎のアウトカムとして注目されている。
本セミナーでは、「患者中心型レジストリを活用した潰瘍性大腸炎アウトカム研究(YOURS)」の内容を紹介し、PRO評価の重要性を伝え、PROを活用した臨床研究の始め方を解説する。

【座長】

久松 理一
杏林大学医学部 消化器内科学 教授

【講演1 PROを活用した臨床研究の始め方】

演者:山崎 大
京都大学大学院 医学研究科 地域医療システム学講座 特定講師

【講演2 患者中心型レジストリを活用した潰瘍性大腸炎アウトカム研究の意義】

演者:松岡 克善
東邦大学医療センター佐倉病院 消化器内科学 教授