【WT1】まずダグ(DAG)より始めよ(実践編)
11.2/15:35〜17:05
山崎 大
京都大学 特定講師
福島県立医科大学 特任准教授
熊本大学 客員准教授
【企画趣旨】
研究の目的(リサーチクエスション)は、原則として、記述・予測・因果関係の3つに分類されます。その中でも臨床家は、「ある要因が病気の発症原因であるのか」、「治療が病気の予後を変えるか」といった因果関係を検証するタイプのリサーチクエスションに取り組むことが多いと思います。因果関係の検証には、まずなぜそのように考えるのかというメカニズム(中間因子)や、比較を邪魔する要因(交絡因子)を詳細に検討する必要があり、その際に概念をまとめる図(DAG: Directed Acyclic Graph)が有用です。DAGを描くことで、多変量解析に投入する必要がある最小限の因子を決めることができ、サンプルサイズの削減にもつながります。またバイアスの可視化にも役立ちます。本セミナーでは、オリジナル資料で事前にDAGについて学んでいただきます。当日は、DAGを描くためのフリーのソフトウェアDAGittyを使い、ケーススタディ形式で様々なDAGを実際に描くことで、自分でDAGを描けるようになることを目標にします。さらにDAGを通して、自分自身のリサーチクエスションが記述・予測・因果関係のどれにあたるのかを、これから臨床研究を始める方はもちろん、既に進めている方にとっても、再度見つめなおす機会になるようにセミナーを構成したいと思います。
- *同日にLearning Theaterで行われる基礎編では、本セミナーの事前学習で使用するオリジナル資料の内容を主に解説します。基礎編の内容は資料の中に記載されているので基礎編の受講は必要ありませんが、資料を読むだけでなく、講義を聴くことで理解したい方はご参加ください。
- **本ワークショップは、DAGを描くという実践をできるだけ多く行います。
【対象】
初級~中級
【事前学習】
事前学習動画+オリジナル学習資料+参考論文
【当日行うこと】
フリーのソフトウェアDAGittyを使い、ケーススタディ形式で様々なDAGを実際に描く演習
【プロフィール】
北海道旭川市出身。2008年に宮崎大学卒業。札幌の手稲渓仁会病院で消化器内科医として研鑽。2016年に京都大学大学院に入学して臨床疫学を学び、2019年に医学博士号を取得。膵臓や肝臓の脂肪蓄積と糖尿病/癌に関する研究、IBDのレジストリ研究、PROMの開発/活用研究を実践。
消化器・内視鏡・肝臓・総合内科•社会医学系専門医。IBD指導医。臨床疫学上席専門家。