【ランチタイムセミナー】我が国の肺がん患者における動脈血栓性イベント発現の現状
11.2/12:00〜13:00
【企画趣旨】
肺がんは、世界的に最も罹患率が高く、がん関連死亡の主要な原因となっている。近年、肺がん治療は大きな進歩を遂げ、患者の余命延長に寄与している。そのため、合併症の管理は重要になってきている。最近の研究では、がん患者の動脈血栓性イベント(ATE)発症リスクは非がん患者と比較して高いことが示されており、その中でも肺がん患者ではATE発症率が高いことが知られている。しかし、肺がん患者におけるATE発症リスクの関連性についての研究は、主に欧米諸国で実施されており、本邦で実施された研究は少ない。従って、本セミナーでは、本邦の大規模データベースを用いて、肺がん患者におけるATE発現の現状を調査した結果を報告する。また、調査を実施する枠組みである大阪大学医学部環境医学とアストラゼネカデータサイエンス部との共同研究プロジェクトについても発表予定である。
【演者】
- 田中 倫夫
- アストラゼネカ株式会社 執行役員 メディカル本部長
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田中 倫夫
- 略歴:
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1997 年、アストラゼネカの前進であるゼネカ株式会社に入社。乳がん領域の化合物の日本製品チームのメンバーとして活躍。2000 年に乳がん治療剤「アリミデックス®」の輸入承認取得の際には、日本で初となる海外臨床試験成績を用いる「ブリッジング」手法を取り入れた。幅広く規制、臨床開発、ファーマコビジランスなどに関わる業務を歴任。規制当局との交渉も多く経験し、当局の合意を得るのが困難なために日本の製品パイプラインでデッドストックとなっていた「ネキシウム®」並びに経鼻インフルエンザワクチンの開発交渉に成功した。
2009 年からはAstraZeneca 英国マックルズフィールド(Macclesfield)の戦略チーム並びに製造・サプライチェーンの本拠地にて、オンコロジー領域のグローバルプロダクトチームのリーダーを務めた。更には、他社と共同開発を行う上でのアライアンスマネジメントフレームワークを構築し、企業やアカデミアとの共同研究・開発を推進した。
2012 年に帰国し、研究開発部門にてオンコロジー、ニューロサイエンス、感染症領域における製品開発を統括。特に、経鼻インフルエンザワクチンでは、日本初となる大規模臨床試験を含むインフルエンザワクチン開発の新たな形を示した。
2016 年からは、サイエンス&データアナリティクス統括部を率い、欧米とのタイムラグを最小限に抑え早期にJNDA(新薬承認申請書)の提出を可能とするために、独自のCTD(コモン・テクニカル・ドキュメント)を構築すると共に、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)並びに製薬会社有志との協業をリードして製薬およびグローバル医薬品開発に適合したニューラル機械翻訳エンジンを導入するなど、戦略面に加えオペレーション面でも会社に大きく貢献。
2020 年から2022 年にかけては、パンデミックワクチンプロジェクトの日本リードとして、新型コロナウイルス感染症ワクチン「バキスゼブリア™」の日本政府との供給契約締結、日本における製造体制の構築、緊急承認取得といった一連のプロジェクトを統括した。
2022 年9 月より現職。
- 北村 哲久
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MD, MSc, DrPH
大阪大学大学院医学系研究科環境医学 准教授
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北村 哲久
- 略歴:
- 2006年3月岡山大学医学部卒。大阪府済生会千里病院で初期研修後、京都大学大学院医学研究科にて社会健康医学博士を取得。2012年より大阪大学大学院医学系研究科に移動し、2020年1月より現職。専門は臨床疫学で、救急医学や循環器学などを中心に様々な領域の臨床研究に取り組んでいる。2024年6月現在、NEJM3本(筆頭著者)、Lancet1本(筆頭著者)、BMJ1本(最終著者)など、英文査読雑誌に約430本(Impact factor 5以上約150本、10以上約30本)、合計Impact Factor約2800。
【座長】
- 堀江 義治
- アストラゼネカ株式会社 メディカル本部
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堀江 義治
- 略歴:
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1987年にアストラゼネカ株式会社の前身である藤沢アストラゼネカ株式会社に入社。抗潰瘍剤オメプラゾール、麻酔薬ロビバカイン、喘息治療薬ブテソナイドの臨床開発に従事した。
1999年にドイツ系製薬会社に転職。統計解析業務を担い、新薬開発を実施した。2005年臨床統計学のPhD.を取得。グローバルにおける循環器・代謝領域における解析責任者としてFDA、PMDA、およびEMAとの交渉、議論に参加して多くの薬剤のグローバル開発に貢献した。
2008年からは日本法人のバイオスタティクス&データサイエンス部統括部長として日本での統計解析業務、データマネジメントの標準化を行い、多国共同臨床試験、およびグローバル新薬開発での日本の役割を確立した。また、中国支社におけるバイオスタティクス&データサイエンス部の設立に尽力した。
2018年に現職に就任後はアストラゼネカ株式会社でのリアルワールドデータ(RWD)の利活用を幅広くリードするとともに、RWDを解析する基盤を日本で構築、グローバルとのRWDの相互利用、データベース研究の実施をマネジメントしている。